プロジェクトストーリー
BowNow 開発秘話
今ではクラウドサーカスの中心プロダクトとなった「BowNow(バウナウ)」
BowNowの開発秘話や今後の目標を3人に語ってもらいました。
田中次郎
2008年入社
DPO事業部
プロダクトオーナー
高松隼人
2012年入社
BowNow開発ディレクター
稲木佑美
2014年入社
カスタマーグラントグループ
カスタマーサポート
シンプルで使いやすいMAツール「BowNow」
何がきっかけでBowNowは開発されたのですか?
田中:
当時、弊社ではお客様のWEBサイト作成、更新、SEOに取り組んでいました。
しかし、そのようなリードジェネレーション(集客)だけではお客様の本質的な課題を解決できないという問題がありました。
それに加えて、月額制ではなくお客様から初期費用をいただいてWEBサイトを作成していたため、会社全体としてサブスクリプションを意識していかないといけないという問題がありました。
そのような中で、リードナーチャリング(顧客育成)(受注率を高める活動)に取り組めるMAツールに注目しました。
高松:
世の中ではHubSpotが海外で有名になり始め、マーケティングオートメーションというものが認識されるようになった頃でした。
弊社が海外プロダクトの販売代理店としてMAツールを扱えないか、当時から弊社で行っていたWEBサイト構築とMAツールを組み合わせられないかなどを検討していました。
しかし、HubSpotは英語で、機能も多くて複雑でした。
そのため、そのまま日本の企業に導入しても上手く使いこなせないのではないかと考えました。
その際に、代表取締役の金井と「私たちのクライアントに合ったものを販売するには、社内で作るのも一つの手だよね」と言い始めたのがBowNow開発のきっかけでした。
そこから開発に取り組み、順調にリリースされたのでしょうか?
高松:
最初はなめていました(笑)
WEBトラッキングとリード管理ができたら良いと考えていたため、順調な滑り出しのように見えました。
しかし、実際に作っていくと、WEBトラッキングは非常に難易度が高いことや、リード管理は単純に管理するだけではないことに気づきました。
2015年の春に作り始めて、11月の展示会に持っていきたいと考えていましたが、テストで合格できなかったり、機能実装ができなかったりして、2016年2月に完成しました。
「シンプル」「低コスト」「使いこなせる」をコンセプトとしたBowNowは、当時のマーケティングレベルがそれほど高くない日本企業で導入されていきました。
高機能よりもシンプルで使いやすいというBowNowのコンセプトはどのようにできていったのでしょうか?
高松:
BowNowの企画段階では、私と金井の二人しかおらず、予算もまともにあててもらえないため機能を絞らざるを得ない状況でした。
逆にそれを強みにしようとしました。
田中:
同時期にMAツールを作った他社が新しい機能をつけていく中で、弊社の開発会議でも「新しい機能がほしい!」という意見が上がっていましたが、その機能は他社の追従でしかありませんでした。
もし弊社に開発予算が十分にあって、ノウハウもあったならば、単に他社の真似をしたツールになっていたと思います。
現在の会議では「このような機能があったら良いけど、BowNowらしさが損なわれるのでつけない!やるべきじゃない!」という会話がなされています。
高松:
また、開発当時からABM(アカウントベースマーケティング)の概念を念頭に置きながら作っていました。
田中:
弊社の営業のリスト管理テクニックはABMから着想を得ています。
BowNowの基本構造にABMを行いやすくするコンセプトが入っています。
高松:
営業のリスト作りのノウハウをBowNowにおいて機能として再現していきました。
重要なのはプロダクトへの愛
リリース後、日本企業に受け入れられたBowNowですが、これまでに苦労したことはありますか?
稲木:
私は2016年の冬頃からリリースしたBowNowを軌道に乗せる取り組みに携わり始めました。
当時はサポートだけでなくマーケティングも担当していました。
競合他社の商品を使用し、セミナーに参加して、金井や高松にフィードバックを行ったり、BowNowのマニュアルサイトを一から構築したりしました。
BowNowの管理画面が変わるタイミングがあり、私が産休に入る前までに不具合チェックをしなくてはならなかったのですが、すべてのチェックが産休までに終わらず、バージョンアップ後に大きな不具合が起こったことがありましたね。
田中:
BowNowは私たちがそれまでに経験したことのないビッグデータ系のツールであり、想定を超えるデータ量だったため、ログインに2分かかることもありました。
高松:
他の商材にも障害はあるのですが、アクセスが集中することによってダウンするアクセススパイクでした。
それが最も起こっていたCMSを担当していたので自信はあったのですが、ビッグデータについての知識や経験がなく、最初はどうすれば解決するのか分からない状態でした。
田中:
そこで、見た目や機能は全く同じままで、システムの裏側の部分を作り直し、パフォーマンスを良くしようとしました。
しかし、作り直したものも不具合が多いものでした。
私は一度、高松に「不具合が多くてきつい!他のツールを担いだ方がいいですよね!」と言ったことがあります。
その時、高松は「神輿は自分で担ぐもんですよ!自分で担ぐから面白いんじゃないですか!」と言ってくれました。
他社ではなく自社のプロダクトを愛する、BowNowでやっていくんだという覚悟が決まった瞬間でした。
高松:
当時はセールス中心で、愛社精神よりも売ることが大事という風潮があり、プロダクトを担当しているディレクターにおいてもプロダクトへの愛が薄かったように思います。
自社プロダクトを愛することは重要だと考えます。
サポートとしてお客様からの声を受けると思うのですが、
リリース初期から今までで変化はありましたか?
稲木:
リリースした初期は、今ある機能をどう使えばいいのか、どう使いこなせるのかというところをお客様に案内するところから始まっているので、お客様からの要望はあまりありませんでした。
BowNowの機能が増え、お客様も増えるにつれて要望が増えていきました。
マニュアルサイトを充実させることで、お客様が効率的に問題を解決できるようにしたいです。
楽しく使えるツールを目指して
今後の目標はどのように考えていますか?
高松:
開発目線で言うと、機能だけでなく、セキュリティを高めて、個人情報の取り扱いを安全にできるようにしたいですね。
値段以外のところで誇れるもの、安心して使えるものにしていきたいです。
そして「初心者ならBowNowだよね」と言われるようにしたいです。
稲木:
管理画面を見ると何ができるか分かるような、そしてスムーズに使えるような機能、ツールにしていきたいです。
同様に、マニュアルサイトも一目見て分かるように、誰が見ても分かるようにしていきたいですね。
管理画面、マニュアルサイトともに分かりやすく、楽しいツールになればと考えています。
田中:
日本はマーケティングリテラシーが低い人が多く、それが原因で廃業や倒産してしまったり、仕事が楽しくないと感じている人がいます。
特に中小企業や地方に多く、このことは社会課題だと考えています。
そのため、「マーケティングリテラシー格差をなくし、売り買いをもっと楽しいものに。」ということをBowNowのミッションとして掲げています。
しかし、MAツールは工数が多いため安売りすると割に合いません。
そのため、単価を上げるか、MAツールから手を引くか、サポートをやめるかの選択しかないのが現状です。
ところが、私たちが助けたいクライアントは、自分たちだけではできない人も多く、新しい取り組みに抵抗のある人も多いです。
そのため、できるだけ簡単に、楽しく使えるものでないといけません。
ゲームのように、何も考えずに理解でき、使用できて、そして成功体験を生み出すことができるものにしたいです。
Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)のMAツール以外のプロダクトを受注することで、安価に人的サポートを行い、楽しく気軽に始められて、成果が出せるような環境を作っていきたいですね。